高校の美術部で知り合った嫁との馴れ初めを聞いてくれ

カテゴリー: いい話
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今日休みで高校野球観てたら自分の高校時代(20数年前だ)を思い出してしまったんで、
オヤジだけどうちの夫婦の馴れ初めを書く。

嫁とは高校の同級生で同じ美術部だった。
入部してすぐ、クロッキーやっててほめられたのが初めての会話。嫁の方が数倍上手かったけど。

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嫁は背が高くてショートカットに銀縁の眼鏡で、第一印象は「のび太のママみたい」。
よくよく顔を見ると目がくりっとしてて「なんかネコっぽいな」と。
性格もサッパリして豪快かと思ったら映画や本でポロポロ泣いたりして、なんだかネコっぽかった。

美術部は3年が3人、2年がいなくて1年が8人いた。
その8人も俺と嫁を除くと2人がかけもちの幽霊部員で、残り4人は今でいうアニメオタク。
俺と嫁は美大か美術系への進学希望で、マンガ描いたりアニメの話をしてばかりのオタク組とはあまり交流がなくて、自然に2人でよく話をするようになった。

2年生になり、後輩が何人か入ってきて、3年生がいないんで顧問の指名で俺が部長になる。
うちの学校は9月が文化祭で、美術部も部活展示をしなければならなかったが、それまで作った作品を展示するだけでは数も足りず見栄えも良くないんで、顧問と相談して嫁は油絵、俺は彫塑の新作を作ると決めた。

期末試験が終わってすぐ作品づくりに取りかかったが時間が足りず、夏休みに登校して作業することになった。
オタク組は同人誌を作るとかで別々に自宅でマンガを描いてたし、顧問も当番の先生もたまにしか来なくて、ほとんど人のいない校舎の美術室に二人きり。

さすがにお互い意識するようになり、お互いに作業する後ろ姿をチラ見したり、夕暮れの帰り道(学校がどイナカにあった)をドキドキしながら一緒に帰ったり、夜、明日の予定を確認とか口実作って電話したり、楽しい夏休みだった。

まあなんとか作品も完成し、嫁と俺の作品は文化祭でそこそこ好評を頂いた。
ちなみに、オタクたちの同人誌は残念ながら完成しなくて大ゲンカになっていて、展示の手伝いにもほとんど顔を出さなかった。


文化祭の最終日。終了時間も過ぎ、ガランとした美術室で受付にいた俺に嫁がジュースを買ってきてくれた。
受付に並んで座って、二人の作品を眺めながら「大変やったねー」とか話をした。西陽に照らされた嫁の横顔を見ているうち、俺はつい衝動的に嫁の手を握ってしまった。「どげんしたと?」と笑う嫁。

俺は握った手のあったかさにドキドキしつつも、嫁の目を見て「俺、嫁のこと好きやけん」と告白した。
嫁はニコニコしながら「…びっくりした。あたしも俺くんのこと好いとうよ。嬉しかぁ」。
そういうと俺の肩に軽く頭を乗せてきた。あまりの幸せに固まる俺。
残念ながらそこへ顧問がやってきてしまいあわてて体を離した。

そこから付き合うようになったが、休みの日はともかくクラスも違うし部活中は人目があるし、今と違ってメールも携帯もない時代で毎晩電話するわけにもいかず、なかなか二人きりで話す機会がない。
そこで考えた。

美術部の顧問はうちともう一つ別の高校で美術の授業を持っていて、うちの学校には週の半分しか来ない。
来ない日は授業がないから美術室は使わないし、他の部員も放課後しか来ない。
だが俺は部長なんで予備のカギを預かっていた。

で、公私混同だが顧問のいない昼休みに二人でこっそり美術室に来ては昼食を食べた。
三年生になって部長じゃなくなるまで続けていた。初キスとかもその美術室でだったな。
たぶん誰にも気づかれてなかったと思う。

その後も付きあいは続いていた。
他の三年生が引退しても、俺と嫁は美大受験の準備で部活に毎日来ていた。

が、結果は…嫁はとある美術系の大学に合格して地元を離れ、俺は落ちて浪人。
それからも電話で連絡はとりあっていたけど、実家の事情もあって俺が美大を諦め、一浪して地元の一般大学に入学した頃、嫁の方から別れを切り出された。

嫁は学校での授業やなんやらで忙しそうだったし、俺の方は嫁のことが好きだったが、一方で美大を諦めたことで嫁に対して引け目を感じていたし、すぐ合って話すこともできない遠距離だし、仕方がないと思って諦めた。


その後、2年ほどお互いの状況はほとんどわからなかった。嫁は成人式にも戻ってこなかったし。
俺の方は何人か気になる女の子がいたりしたけど、正直言って嫁に未練たっぷりで、他の女と付きあう気にはならなかった。

大学4年の春、運送屋でバイトしていた俺が配達に行った会社で、ハンコもって受付に出てきたのが嫁だった。
嫁が美大を出て就職したのが、その地元にあるデザイン系の会社だったんだな。
二人ともすぐに気づいてボーゼン。
話したいことは山ほどあったが二人とも仕事中だったんで、とりあえずその日の夜、メシ食いにいく約束をして別れる。

食事しながら二人とも謝りまくってた気がする。
嫁は別れようといったことについて謝り、俺は美大を諦めたことや、連絡も取らなかったことを謝った。
それからまあ共通の友人の近況や、高校時代付き合っていたころの話になり、焼けぼっくいが大炎上してまた付きあうことに。

そこからは大した波乱もなく順調に付きあって結婚。
高校時代に嫁のことを気に入っていた俺の母親が一番喜んでた。

結婚してすぐ娘が生まれ、嫁は会社をやめて育児に専念。
娘が手を離れてからは自宅でたまにフリーとして仕事をしたり、趣味として絵も描いている。

その娘がこの春から大学生で一人暮らしすることになり、俺と嫁はまた二人きりになる。
嫁は最近ヘアスタイルを短くし、ずーっとコンタクトだったけど、本を読んだりするときに銀縁の老眼鏡をかけるようになった。
それ見るとね、なんというか40過ぎのおばちゃんなんだけど、俺のクロッキーに「うまいやん」って声をかけてくれた、あの高校時代の嫁に戻ったみたいなんだよ。

みんなの反応

1:七白:2013/10/19 12:20:44

2828ですな~

2:いつもの名無し:2014/10/21 19:12:09

いいねー
こうゆう生涯一人だけを愛した話好きだ

3:面白い名無し:2017/05/23 12:43:29

美しい話

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