バスの中にうざったい老人がいたから席を譲っただけ

カテゴリー: いい話
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バス車内での出来事。
会社帰りの時間で混み合うはずの車内だが、運良く座れた。
俺は仕事疲れもあってか、席が空いた瞬間遠慮無しに座った。
やがてバス停に止まり、降りる人乗る人が行き交う中、なかなかバスが発車しない。どうしたというのだ?

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理由はすぐにわかった。
障害を持った老人が最後にバスに乗ってきたのだ。
その老人は足腰が弱く、俺が座っている目の前の女性の人に抱きつくようにもたれ掛ってしまい、
「すいません・・・私痴漢じゃないんです・・・」
と弱々しい悲痛な声を出していた。

バス車内の立っている人々は、もっとも近い席に座っている俺に一斉に注目した。
口下手で親譲りの強面で、とっつきづらいとよく言われるが、俺はみんなの視線に耐え切れず、
「おっちゃん、ここ座んなよ。」
と言った。

さっさと席をどいたが、そんな善行の似合わなそうな俺を『ええ人や』みたいな眼差しで見られるのも嫌なので、後部座席の方の手摺りへ行こうとした。

当然老人は素直に座ってくれるだろうと思ってたが、
『いや、あと3つ先のバス停だから大丈夫だよ・・・』
とのたまう老人。

『これでは俺が席を譲った意味が無いではないか!?てゆうか、この老人降りる時どうするんだ?乗る時だってあんなに時間かかりやがったくせに。』

軽いパニックに陥りながらも、
「バスの揺れは結構凄いんだから、いいから座っとけって。」
と空けた席に押し込むように老人を座らせた。

「あ、ありがとうなぁ・・・」
と老人も困惑の表情だった。

そんなに俺が席を譲るのが似合わないのか?

そして、老人の降りるバス停になった。
また俺に礼を言い、バスを降りていこうとしたが案の定、ヨタヨタ歩きで足元がおぼつかない。
そんな姿の老人にイラつきすら感じた俺は、手を引いて降り口まで行ってやる事にした。言われ飽きた礼を何度も言われながら・・・

予測を上回る車内全員の眼差しに耐え切れず、結局俺も老人とバスを降りた。
「アンタもこのバス停だったのかぃ?」
と驚く老人。

「違うよ・・・なんか恥ずかしくて居られなかっただけだ。正直辞めときゃよかった。」
俺は偽善者とも見られるような視線が無くなった事もあってか、つい本音を吐いた。

「すまんのぅ・・・ただアンタに言われなんだらまた痴漢扱いされとった所だよ・・・アンタのお陰だ・・・本当にありがとう。」
と弱々しく苦笑していた。

「まぁいいよ。もういいから早く帰んなよ。」
と言い、老人と別れた。

本心でうざったいからやっただけなのに、このスッキリ感と例えようの無い変な充実感で一杯の俺は、そこら辺の居酒屋で一杯ひっかけてから帰った。

みんなの反応

1:面白い名無し:2014/12/28 11:36:50

いいやつだな

2:面白い名無し:2016/05/23 6:12:46

また痴漢扱い…
まさかこの老人分かってやってる
わけじゃないよな

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