サキちゃんへの3本のビデオ

カテゴリー: 感動・泣ける話
http://omoshiroi-hanashi.com/kandou/1909.html

サキちゃんのママは重い病気と闘っていたが、死期を悟ってパパを枕元に呼んだ。
その時、サキちゃんはまだ2歳。

「あなた、サキのためにビデオを3本残します。このビデオの1本目はサキの3歳の誕生日に。2本目は小学校の入学式に。そして3本目は・・・○○○の日に見せてあげてください」
まもなく、サキちゃんのママは天国へと旅立った。

スポンサードリンク

そして、サキちゃんの3歳の誕生日。1本目のビデオがかけられた。
(ビデオからつないだテレビ画面に、病室のママが映し出される)
「サキちゃん、お誕生日おめでとう。ママ、うれしいなぁ。でもママはね、テレビの中に引っ越したの。だから、こうやってしか会えない。パパの言うことをよく聞いて、おりこうさんでいてね。だったら、ママ、また会いに来ます」

サキちゃんの小学校入学の日。2本目のビデオ。
「サキちゃん、大きくなったネ。おめでとう・・・。ママ、うれしいな。どんなにこの日を待っていたか。サキちゃん、ちゃんと聞いてね。ママが今住んでいるところは、天国なの。だから、もう会えない。でもね、パパのお手伝いがちゃんとできたら、ママ、もう一回だけ、会いに来ます。じゃあ、魔法をかけるよ。 エイッ!ほうら、サキちゃんは料理や洗濯ができるようになりました」

そして3本目のビデオ。そのタイトルは、こう書いてあった。

『新しいママが来た日のサキちゃんに』

そしてサキちゃんが10歳の時、パパは再婚し、新しいママが来た。
3人いっしょに、3本目のビデオを見つめた。
なつかしいママの顔が映し出された。

「サキちゃん、おうちの仕事、がんばったね。えらかったね。でも、もう大丈夫。新しいママが来たんだから。・・・サキちゃん。今日で本当にお別れです。サキちゃん・・・今、身長はどれくらい?ママには見えない(泣き崩れ、カメラを抱え込む姿が映る)。ママ、もっと生きたい・・・あなたのために、おいしいものいっぱいつくってあげたい・・・あなたの成長を見つめていたい・・・じゃあ、サキちゃん、これがママの最後の魔法です。それは、『ママを忘れる魔法』です。ママを忘れて、パパと、新しいママと、楽しい暮らしをつくってください。では、魔法をかけます。1、2、3、ハイッ!」

そこでビデオは終わった。
しかし、サキちゃんに、この魔法は効かなかった。パパと、新しいママにも効かなかった。
ママは、みんなの心の中に、ちゃんと残っていた。

そして今度は、サキちゃんが主役の、4本目のビデオがつくられたのだった。
天国のママに見てもらうために

みんなの反応

1:面白い名無し:2014/09/28 1:51:28

ちょ、こういう話は目からなにかが出て来ちゃうよ…

2:面白い名無し:2015/05/19 21:32:37

※1(´;ω;)っティッシュ

コメントフォーム

要望があったのでコメント欄にトリップ機能をつけてみました。詳細はこちら

お名前
コメント