俺が６才の頃、近所に住んでいた仲の良い女の子がいた。
その子には、お姉さんがいて、そのお姉さんと僕の姉が同い歳だったこともあって、姉と一緒によくその子の家に遊びに行ってた。
その子の家は洋館風の建物で、かなり裕福な家庭だったと思う。

ただ、ある日を境にその姉妹との思い出がなくなって、「引っ越したのかな？」と思っていた。
実際その姉妹が住んでいた家は、近所の子供達の間で幽霊屋敷と言われていたから。

先日、里帰りをした時に、姉にその姉妹と幽霊屋敷の事を聞いてみた。
姉は驚いたらしく、「あんた憶えてないの？あんなに泣いていたのに」と言ってた。

何だかわけが解らず更に聞いてみると、その姉妹は俺が６才の時に一家心中で亡くなったらしい。
心中の原因は父親の事業の失敗による借金だったらしく、洋館に火を付けて心中したという事だった。
一家心中 その時、俺はもの凄いショックで、ずっと泣いていたそうだ。
今になって考えてみると、ショックで、その姉妹の事を記憶から削除していたんだなと思う。

なぜ里帰りした時に姉に聞いたかと言うと、その洋館、更地になってて、ふと例の姉妹の事を思い出したから。
で、その時、幼馴染にも聞いてみたら、皆、憶えていたみたいで、その心中があったから幽霊屋敷と騒いでいた事がわかった。

その時、現場に居合わせた奴から聞いた話によると、火事の中、その姉妹と親が窓から火事を見に来てた俺らを見ていたらしい。