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170 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:08:01.67 ID:WuLtuWlB0
彼女は変わり果てた姿でそこにいた。ニット帽をかぶって、やせ細っていて…
彼女「本当はねえ。手術終わるまでは黙ってようって思ってたんだ」
彼女「でもやっぱり直前になって怖くなっちゃった。」
彼女は笑った。
笑顔だけは変わらずそこにあったので、なんだか俺のほうが安心して、悲しくなって、涙目になってしまった。
しっかりしなくてはいけない。
172 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:08:53.12 ID:0ZoZjK6b0
やだ、この流れやだ
なんとかハッピーエンドにしてくれ頼む
173 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:09:20.72 ID:+t3I5efm0
最悪の結果でないことを切に願う
マジで泣きそう
179 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:15:00.81 ID:WuLtuWlB0
強く、一人で頑張っていたんだろうな…
きっと俺と初めて会った時から、このことで悩んでいた…
そう思うと本当に泣きそうになった。
俺「大丈夫です。教えくれてありがとう。
これからは、俺も一緒にいますから。」
これが俺の精一杯だった。
そうすると彼女は安心したのか、途端に涙目になった。
彼女「こわいんだよ…手術…絵を描けなくなるのも…
ゲーセンに行けなくなるのも…何もかも怖いんだよ…」
彼女は何かがぷつんと切れたかのように、大泣きしだした。
俺も涙をこらえて、ひたすら
「大丈夫、大丈夫…」としか言えなかった。
正直この時俺もダメだと思った。絶望してた。
でも俺が弱音吐いちゃ絶対だめなんだと思って、ふんばったよ。
193 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:26:28.38 ID:oRUw3uTe0
>>192
エンディング前になくなよ、ここからだろ
188 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:20:09.67 ID:WuLtuWlB0
ひととおり励まして、なんとか良い空気に戻った。
彼女が、ブリジット描いてー!(ギルティギアという格ゲーのキャラ)
などと言ってくるので、俺が描いたりして遊んでいた。
すると、不思議と和やかになっていった。
そのうち、彼女のお母さんが機を見て病室に入ってきた。
俺「こんにちは」
母「あ、これはこれは…」
おふくろさんは人当たりの良い方だった。
191 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:24:01.35 ID:WuLtuWlB0
俺は昔から大人(特におばちゃん)とは何故か打ち解けるのが得意だったので、すぐにお母さんとも懇意になれた。
しかし俺と彼女の関係性があまりに曖昧だったので、そこはなんとも言及しづらかった。
母さんは勝手に彼氏だと思っていたようだが。
そして俺は手術までの間通い続けた。
すべてを捨てる覚悟だった。
大学も全部サボった。
192 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:25:25.01 ID:hiNsX/wJ0
(´;ω;`)うぅ...
196 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:29:07.63 ID:WuLtuWlB0
手術前日。
行っていいのか迷ったが俺は行こうと決めた。
父親も、母親もいた。
お父さんは、話に聞いていたよりは温和そうな人だった。
「こんにちは…」
すると、母さんに手招きされて、待合に呼ばれた。
俺は母さんとは電話連絡もして買い出しにも行くくらい、実は懇意になっていた。
母「富澤くんには聞いておいて欲しいの。」
俺「はい…」
正直俺は手術の趣旨も、彼女の癌の状態もほぼ知らなかったから、何か聞きたいとは思っていた。
199 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:30:53.82 ID:hiNsX/wJ0
もう・・・やめようよ。。。
201 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:32:30.17 ID:13xBj7C80
正座した
203 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:32:56.33 ID:hiNsX/wJ0
>>201
お、おれも・・・!
218 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:44:40.89 ID:WuLtuWlB0
お母さんは俺に言った。
母「手術しても…余命は1年くらいだろうって、言われてるの…」
動揺した。思っていたよりも、ずっとずっと、残っていた時間はなかった。
母「君は…それを覚悟しておいてね。それで、このことをあの子に伝えるか
わたしたちは悩んでるの…」
人生20年そこらしか生きて来なかった俺には、もうどうしたらいいのか分からなかった。
母「君は、最後まできっとあの子のそばにいてあげてね。
あの子、あなたがいない時もあなたのことばかり話すのよ」
みたいなことを言っていたと思う。
最後までってなんだ?もういなくなること確定なのか?
混乱した。
大学生の小僧には、あまりに色々重すぎて、どうしたらいいか分からなかった。
221 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:48:01.73 ID:WuLtuWlB0
手術は滞り無く無事終わった。
しばらくは麻酔やらなんやらのせいで、熱も続き、
彼女も起き上がるのは難しいということで俺は病院に行くことを控えた。
俺はしばらくフワフワした気持ちになっていた。
全部夢なんじゃないかとも思っていた。
226 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:51:14.12 ID:WuLtuWlB0
手術が終わって数日して、俺は彼女に会いに行った。
彼女は寝ていた。
目覚めると俺を見て、フラフラと体を起こす。
俺「あ、起きないほうが…」
彼女「いいの、今日は調子いいんだ…」
笑みにも力がない。
俺「手術、頑張ったね。」
彼女「ありがとう。」
彼女の笑顔には本当に力がなくなっていた。
231 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:54:25.81 ID:WuLtuWlB0
俺「何か、欲しいものは…?」
彼女「一緒にゲーセン行きたい」
俺「それは…もうちょっとしたらにしようか。」
彼女「ゲームしたいね。」
そんなこと言われたら、悲しくなるだけだった。
232 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 17:55:30.26 ID:0ZoZjK6b0
あぁぁぁだめだ切ない
せつねぇーよぉぉぉぉぉぉ;;
235 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 17:58:13.28 ID:WuLtuWlB0
彼女「病院の中散歩したいなあ。」
俺「それなら」
俺は看護婦さんとお母さんに聞いて了承を得て、車椅子をひいてちょっと外まで行くことにした。
俺「喉かわかない?辛くない?」
彼女「そんな大丈夫だよwよそよそしいのやめてw」
彼女「あ、でも欲しいもんあるぜ~」
俺「え、なになに?」
240 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:06:27.14 ID:3npXYNxz0
切ない…
243 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 18:10:20.97 ID:WuLtuWlB0
彼女「スケッチブックが欲しいな」
俺「あ、なるほど。それならクロッキー帳なら俺今持ってる。」
彼女「ほんと?やった、それなら絵描きたいな。」
ラウンジみたいなところで、おれは彼女にクロッキー帳を差し出した。
車椅子に座る彼女の体を支えつつ、ペンとクロッキー帳を渡した。
彼女はゆっくりと絵を描き始めた。
245 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:11:27.85 ID:xVZv7HQd0
自分が無駄にした1日は
他の人にとっては大事な1日でも
あるんだよな
246 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:13:14.71 ID:3npXYNxz0
>>245
そうだよね…
そういう言葉を聴くとちゃんとしなくちゃなって思う
247 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 18:14:53.45 ID:WuLtuWlB0
そこには、彼女が好きなアーケードゲームのキャラクタたちと、なにやらメッセージ描かれていた。
そっとそれを恥ずかしそうに俺に渡す。
「迷惑かけてごめんなさい。こんな病人と一緒にいて楽しい?」
それは多分彼女の大きな不安だったんだろう。
これを、口に出して聞くことが出来なかったんだろう。
248 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 18:20:18.21 ID:WuLtuWlB0
俺は泣きそうになった。
俺「何いってんの?」
俺「俺は吹石さんといる時が、一番楽しいよ」
俺はハッキリ伝えた。絶対に変な不安を持ってほしくなかった。
彼女「よかった。ありがとう。」
彼女は小さく笑った。
俺は彼女の頭を撫でたけど、ヘタレだからそれしかできなかった。
頭を撫でると彼女は笑って「わんわん!」と言った。
本当に、こういうとこがあるから俺は惹かれてしまったんだろう。
256 :忍法帖【Lv=35,xxxPT】: 2012/01/15(日) 18:30:35.08 ID:w8ox2UzZ0
なんだこのスレ
涙がとまらんぞ
どうしてくれる
262 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:37:39.64 ID:hiNsX/wJ0
修学旅行いくから、次見れるのは22日の夕方かよ・・・くそっ
265 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:45:56.54 ID:tNQB6EHg0
>>262
1週間も修学旅行行けるのか・・・最近の学校は豪華だな・・・
266 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:46:50.02 ID:hiNsX/wJ0
>>265
できれば修学旅行サボってでも
このスレみたい
268 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 18:48:10.37 ID:0ZoZjK6b0
>>266
それはそれ。
いい思い出作ってこいw
315 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:33:14.89 ID:WuLtuWlB0
散歩から帰ると、病室に一人の女の子の姿があった。
どうやら、彼女の高校時代の友人らしかった。
彼女「てて子…」(名前は仮名です。LOVの彼女のお気入りの使い魔から)
友人「心配してたよ…」
俺「こんにちは」
俺は空気を読んで席を外そうとした。すると、
彼女「いていいよ…」
彼女がそういうので病室に残ることにした。
316 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:36:50.00 ID:WuLtuWlB0
彼女たちは懐かしい話に話を咲かせていた。
でも終始、彼女が病気の話に触れることはなかった。
そして30分くらいしたらだろうか、友人さんはお見舞いをおいて去っていった。
見たところ、癌のことすら知らなそうだし、彼女の病気について知らなそうだった。
俺「友達には、病気のこと話してないの?」
彼女「うん、てて子だけだよ。それに癌とか知らない。すぐ治ると思ってる。」
317 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:38:44.86 ID:WuLtuWlB0
俺「誰にも言わなくていいの?」
きっと俺が同じ状況になったら多くの友人に言ってしまう。
彼女「心配かけたくないじゃん。普通、みんなビックリしちゃうよ。
本当に少しの人が分かってくれてれば、それいいんだから」
彼女はとても優しい口調で言った。
319 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 23:39:05.98 ID:LaUs1+ko0
俺もLOVやってたからそっちの話したかったが、全然そんな雰囲気ではなかった
でも海種使いだったのかな。
320 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:40:23.76 ID:WuLtuWlB0
>>319
海種使いだったよ。おれも真似して海種使ってた。
分かってくれてなんか嬉しいわ。
322 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 23:45:46.06 ID:LaUs1+ko0
>>320
やっぱそうかー。私は不死使ってました。
話の腰を折ってごめんね。続けてください。
321 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:44:45.43 ID:WuLtuWlB0
その少しの人に、俺が入っていたのは、嬉しくもあり、なんとも言えない気持ちだった。
この子はもし俺がいなかったら、誰にも言わず、家族だけに頼って、そう思うとなんだか辛くなった。
それからの日々は割と穏やかだった。
彼女は病院から離れられなかったが、俺は大学をできるだけ抜け出し、なんとか毎日でも彼女に会いに行った。
323 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:48:25.22 ID:WuLtuWlB0
花が好きだったから、けっこうな頻度で花を買っていった。
彼女のお気に入りの花はトルコギキョウという花だった。
俺が偶然花屋さんで見つけて買っていった花を、彼女はとても気に入ってくれた。
青と白の色合いが綺麗な花だった。
でも毎回なるべく違う花を買っていった。
そして病室で二人で「花擬人化ごっこ」をして持っていった花を女の子の絵にして遊んでいた。
324 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:52:41.16 ID:WuLtuWlB0
よく笑った。花を持って行くと彼女は決まって満面の笑みになって喜んでくれた。
彼女「今日はどうしよっかなー」
なんて言ってふたりで花を見て絵で遊んで、本当に彼女が病気だってこと忘れるくらいに楽しかった。
326 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/15(日) 23:54:46.07 ID:WuLtuWlB0
でもいつもいつも調子がいいわけじゃなく、日によっては行っても起き上がることすら辛い日もあって、そうすると俺はふっと病気のことを思い出して途端に辛くなった。
そんな日も俺はお母さんに言って、持っていった花だけは花瓶に入れるようにしていた。
327 :名も無き被検体774号+: 2012/01/15(日) 23:56:15.53 ID:JH2srFjD0
トルコキキョウの花言葉>>1は知ってる?
その事について触れるとしたらごめんなさいね
329 :1 ◆WiJOfOqXmc: 2012/01/16(月) 00:00:22.79 ID:WuLtuWlB0
>>327
いや、わかんないですwなんなんでしょう?
332 :名も無き被検体774号+: 2012/01/16(月) 00:05:38.01 ID:qxHxUsLB0
>>329
どうせなので話を全部聞いてからにしますね
展開次第で吉と出るか凶と出るかわからないので