幼き日の思い出~もうあの頃には戻れない~
小さい頃の夏休みに、自転車でどこまでいけるかと小旅行をした。
計画も、地図も、お金も、何も持たずに、国道をただひたすら進んでいた。
滝のような汗をかきながら、青空の下みんな笑顔だった。
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途中大きな下り坂があって自転車はひとりでに進む。ペダルを漕がなくても、何もしなくても。
ただ、ただ気持ちよかった。自分は今、世界一早いんじゃないかと思った。
子供心に凄く遠いところまできた事を知り、一同感動。
しかし、帰り道が解からず途方に暮れる。不安になる。怖くなる。いらいらする。
当然けんかになっちゃった。「泣いてね~よ」と全員赤い鼻して、目を腫らして強がってこぼした涙。
交番で道を聞いて帰った頃には、もう晩御飯の時間は過ぎてるわ、親には叱られるは、 蚊には刺されてるわ、自転車は汚れるわ。
でも次の日には全員復活。瞬時に楽しい思い出になってしまう。絵日記の1ページになっていた。
今大人になってあの大きな下り坂を電車の窓から見下ろす。
家から電車でたかだか10個目くらい。子供の頃感じたほど、大きくも長くもない下り坂。
でもあの時はこの坂は果てしなく長く、大きかった。永遠だと思えるほどに。
今もあの坂を自転車で滑り落ちる子供達がいる。
彼らもいつの日にか思うのだろうか。
今、大人になってどれだけお金や時間を使って遊んでも、あの大きな坂を下っていた時の楽しさはもう二度とは味わえないと。
もう二度と、友達と笑いながらあの坂を自転車で下る事はないだろうと。
あんなにバカで、下らなくて、無鉄砲で、楽しかった事はもう二度とないだろうと。
みんなの反応
2:サブ:2013/12/09 18:41:17
子供の時の風景って全部が大きく見えますね!
3:名無しのなし:2013/12/24 0:51:52
懐かしい。俺も小中学生の頃はよく自転車に乗って旅したなぁ。
4:名無しの権兵衛:2014/05/09 0:35:40
大学生になってもしてるぜ。気持ち(だけ)はヤングです。
5:面白い名無し:2016/07/31 22:29:40
子供の時に、子供の時間を使い切ること。佐々木正美先生だかどなたかの名言 。
要望があったのでコメント欄にトリップ機能をつけてみました。詳細はこちら。
1:名もなき何か:2013/09/10 21:34:27
楽しそう。最近じゃそんな事しないから,よけいに羨ましく感じるよ。