安楽死の施設「満ち足りた気持ちで最期を迎えられます」
世の中に見切りをつけた金持ちの為の安楽死施設。
「満ち足りた穏やかな気持ちで最期を迎えられます」
という言葉に引き寄せられて、金なんかもう要らない人間関係がほとほといやになったという一人の男が入所してきた。
入所してみると同じ厭世的な金持ちの社交場のようなものだった。
ただ仕事の話をする者など誰もいない。そんな毎日を過ごしているうちにやがてその男は同じ境遇の美しい女性と懇意になった。
毎晩夕食をともにしているうちに、だんだんその女性に惹かれていき、ある夕食のときに思いきって打ち明けた。
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「私は世の中がほとほといやになり死ぬつもりで、ここにきましたが、今は違います。
貴方とならもう一度明るい希望をもってやり直せるような気がします。
もし貴方さえよろしければ明朝ここを一緒に出ませんか?
なあにここだって殺人が目的ではないから
払い込んだ入会金さえ諦めれば殺す手間が省けたと喜んで了解してくれるでしょう。」
「まあ、私もそう思っていたところです。
例え一文無しでここを出ても二人で働けばお金なんてなんとでもなりますよね。
じゃあ二人の新しい出発を祝って乾杯しましょう」
男は食事も終え明日からの新しい生活に希望で胸を膨らませながら
満ち足りた穏やかな気持ちで眠りに就いた。
「所長、私のお客様の決心がついたようです。今は穏やかな気持ちでお休みです。
念の為にワインに入れた睡眠薬も効いているのでお目覚めになっていることはないはずです。」
「ご苦労。設備担当、お客様の部屋に今晩ガスを入れてくれ。」
みんなの反応
2:hawkeye:2014/03/30 5:36:37
金持ち専用というのがミソかな
要望があったのでコメント欄にトリップ機能をつけてみました。詳細はこちら。
1:面白い名無し:2013/12/16 2:29:14
なるほど。
満ち足りた気持ち、ね