212：おさかなくわえた名無しさん ：2006/11/09(木) 21:43:36 ID:NP54mMP3

少し長文になるが付き合ってくれ。

俺が小学生の頃友達だったYの話。
当時の俺たちの遊びで「北斗の拳伝説」が流行っていたんだ。
友達５、６人で集まり各々北斗の拳の好きなキャラになって格闘するってやつなんだが、
ポッチャリ系のYはいつも無理やりハート様役をやらされていたんだ。

【参考：ハート様】

いつもいつも真っ先にハート様は昇天させられていた。
そんなある日、Yが「いつもいつもヤラレ役は嫌だ」って言ったことから今回の話が始まる。

Yの発言に俺は「たまにはハート最強伝説をやろう」と提案し、他の奴らも賛同した。
俺の提案は膨らみ「ハート最強伝説」＝「ハートと主要キャラの名場面集」ってな感じになったんだ。

ハートの張り手１発で「アベシッ」と吹っ飛ぶS（ケンシロウ役）

張り手１発で窓から飛び降りるO（シン役）

張り手１発で部屋に引きこもるI（レイ役）

張り手１発で片手を挙げるK（ラオウ役）

これが意外と面白かったんだ。みんなこぞって死にたがり、ハート役のYも楽しんでいた。
で、俺の番になったわけだ。
俺はサウザー役だった。

当時サウザー役は特別だった。と言うのも「聖帝十字稜」が俺たちの遊び場に存在したからだ。
（実際は学校近くの木材置き場に２０本ほどの丸太がピラミッド状に積まれていただけだが。）

213：おさかなくわえた名無しさん ：2006/11/09(木) 21:45:27 ID:NP54mMP3

そんなわけでハートVSサウザーはその聖帝十字稜（詰まれた丸太の上）で行われた。

張り手１発で「お師さん、もう一度温もりを・・・」と丸太の上を這いずりながら昇天する俺。
その時ちょうど夕立が降った。
俺たちは急いで学校に避難し、雨がやむのを待った。
雨が上がり再び場所は聖帝十字稜。
ハート最強伝説に魅了されたYは「早く続きしようよ」と丸太の上で飛び跳ねたんだ。

さっきの雨で丸太は濡れている。
案の上、Yは足を滑らした。
ピラミッド状に詰まれた丸太の上をバイーン、バイーンと尻でバウンドしながら落ちていくY。
そしてあたかも用意されていたかのごとく丸太脇に存在した水溜りに、尻から着水するY。

この光景を目撃した俺たちはもう大笑い。「尻でジャンプするヤツ初めてみたよ！」ってな具合だ。
水溜りの中で放心状態のY。
しかし喜劇は続く。

なんと詰まれた丸太がさっきのハートバウンドで崩れ始めたんだ。
放心状態のYめがけて転がり落ちる丸太。
さすがに「Yが死ぬ」って思った。

ドス、ドスと鈍い音がした。

Yは２本の丸太の下敷きになっていた。
俺たちは慌てて駆けつけて、「Y、Y、大丈夫か」って声をかけた。
Yは言った。
「い、いでぇよ・・・いでーよぉぉぉぉぉぉぉぉお！！」

Yが本当にハート様になれた日だった。